未来の九十九神との出会い
先日、一生使うであろう家具と出会いました。 が、それは買うときとは違う傷が付いていました。 僕たち家族はそれを当たり前のように受け入れ、生活の一部としました。
その顛末と、
- 出会いのきっかけ
- お迎えの覚悟
- 到着、そして…
- 人とのお付き合い
に付いて語ってみたいと思います。
出会いのきっかけ
7月末に引越しをしたのですが、その際、お部屋のレイアウトが前回とまるで違って来ました。 抜本的に解決するには ちゃんとした食器棚 が必要だと感じ、探し始めたのでした。
推測と、検証を前提とした選抜
- このくらいの高さで
- このくらいの奥行きで
- このくらいの幅で
と言う メジャーでの推測 は幾度も実施しました。 が、実際の圧迫感、使用感、質感など、検証はできていませんでした。 そこで、まずはネット上で検索した数多の食器棚たちの中から、選抜していくことになりました。
選抜
計測したサイズから、
- 最適な用途
- 希望する容量
- 許容できる高さと奥行き
- 我が家に自然と溶け込む好み
のレンジをあらかじめ決め、それに沿って複数の候補を選択。 リスト化し、メリットデメリット的なことを話し合い、選抜して行きました。 結果を家庭内Slackでメモしつつ、ここである程度の条件は固まりました。
出会い
最初はサイドボード、もしくはカウンターのような 補助的な家具 を探していました。 なぜなら、今ある家具をそのまま活かしつつ、不足を補うことを考えていたからです。 しかし、とある出会いから考えが一変します。
なんと、現在ある家具を2つ廃してでも、一生使いたい食器棚に出会ってしまったのです。 まさに運命の瞬間でした。
僕と奥さまがうん、うちにお迎えしたいね って思えるものであったことと同時に、娘が これいいねっ って言ってくれたことも大きかったように思います。
お迎えの覚悟
お迎えするにはそれなりの覚悟が必要でした。なぜなら…
ワンクッション
それなりに高額でした。 今ある予算を大幅にオーバーするお値段。 お迎えしたいという強い気持ちはありつつも、気軽に購入するのは、財政的にも、気持ち的にも、ワンクッション置く必要があるように思われました。 八王子の村内家具まで行って出会った子でしたが、そうそうなくなりはしないだろう、と言う判断もあり、その日は帰っていったん熟考することにしました。
検証
帰宅する前に、あらん限りの撮影をしていました。 娘を寝かしつけたあと、
- 実際の奥行きと幅にビニール紐を切り、床と壁にテープで貼り、導線を検証
- 実際の高さのダンボールを立て、圧迫感を検証
- 財政的に可能かどうか、家計を検証
- 移動する家具の再利用が可能かどうか実測して検証
を実行しました。
結果として、 問題ない と言う結論に至りました。
セカンダリーインデックス?
自宅からほど近い、我が家の大事な家具たちも来てくれた大型家具店でも確認してみようという流れに。 翌日のスケジュールを立て、就寝。
動作検証
翌日、家族3人、軽い気持ちで出立。 行ってみると、なんとそこには…
- ナラ材の高騰から、生産がストップした関係で
- 現品処分で全く同じ商品
- お値段5分の3
が鎮座しているではありませんか。
覚悟を決める
とはいえ展示品。どこかに見えない傷や凹み、歪みがある可能性は捨て切れません。 店員さんに詳しく聞くと、詳細かつ丁寧なご説明をいただくことに。
ちょっと考えさせて欲しいとお伝えしたあと、再度その子のもとへ。
開け閉めし、なんども触れ、ちょっと離れて眺めつつ。 よし、この子を我が家にお迎えしよう と僕と奥さまの覚悟は決まりました。
購入手続き
近いとはいえ送料もかかるし、梱包から配送まで時間もかかります。 大型家具を梱包して届けていただくには破格のお値段(送料は¥1,000 でした) 家具屋さんに感謝の意をお伝えしつつ、購入手続きを経て帰宅しました。
「やったねー」「楽しみだねー」なんて3人で話しながら帰ったものです。
到着、そして…
予定通りの日時に、その子は我が家にやって来ました。 手際よく梱包を解き、土台から組み上げていく配送担当さん。 ほどなく、予想していなかった説明を受けることになります。
傷と凹み
おそらく配送担当さんに引き渡したあとだったのでしょう(後から本社より詳しく誠意満点な説明をいただけました) 普段使いでは一切に気にしない場所、でも食器棚の下段の奥を見ると、明らかな凹みと傷 がありました。 配送担当さんには、
- 購入した際にあったかどうか
を丁重に聞かれ、それはなかったことをお伝えし、
- 購入の意思は変わらないか
- 現状を撮影し、すぐに本社で判断、連絡をさせる
と言う旨を説明いただきました。
揺らがない覚悟
僕ら家族は、自分たちの一部としてその子をお迎えする覚悟をしていました。 これが
- 真っ二つになっていたり
- ガラスが割れていたり
- 扉が閉まらない
など、外観と機能性に問題があれば、考えたと思います。 が、普段使いでは気にすることなく、機能性も堅牢性にも影響がないことは説明でも実感でも理解できました。
また、誠意ある対応もあり、僕らは一もなく二もなく そのままお迎えすること をお伝えし、設置していただきました。 まったく覚悟は揺らぎませんでした。
惚れるということ
商品をドライにやり取りするだけなら、過剰なクレームにも発展 することもあるのでしょう。 のちに本社から連絡をいただいた際に 全く問題ないし、惚れて我が家にお迎えすることに変わりはないです とお伝えした時の先方の感謝の気持ちは、電話越しでも本当に伝わって来ました。こちらから何も言ってないのに、想定外の割引 までしてくれました。
こういう時、普通なら大きなクレームとともに返品されて、かつ何か別のものを無茶に要求されたりするのだろうなあ…と想像しつつも、この子もお店ともいい出会いをしたなあ って思ったのを覚えています。
惚れるってこういうことなんだろうなあ、って。
余談ですけど、奥さまの実家で犬を飼うとき。 この子は本当に性格がきかんぼうですけど、本当にいいですか? と何度も念を押されたそうです。
その際に奥さまのご家族全員で即決したのが。 うちに来たのもご縁。他所に行くより我が家で可愛がって、共に過ごそう ってことでした。
この時、笑いながら奥さまと「その時と同じだね」なんて話をしたのも思い出します。
人とのお付き合い
僕らは日々、何かを売り、何かを買うわけです。 そこには必ず 人が介在 します。
人には必ず情があり、生き物ですので疲れもすれば傷つきもします。 しかも互いに覚悟を決めて、誠意ある対応をいただいてました。 これもまた 何かのご縁 と、我が家では思うようになっています。
そういう人だからこそ、互いに結婚したのかもしれませんね。
人がいるからこそ、僕らは生きていける
壮大ではありますが。 どんな小さなことでも、誰かが作っています。 誰かが受け継ぎ、誰かがメンテナンスし。 誰かのおうちに旅立っていきます。
作る人。 売る人。 買う人。
全部いるからこそ、僕らは生きていけるのだと感じます。 であれば、感謝しあった上で、生活していきたいと、少なくとも我が家では思います。
これもまた、 いい人との出会いだった のだなあ、と思っています。
未来の九十九神
我が家では、相当の覚悟がない限り、大きな家具を買いません。 近い将来、戸建てを購入しようとも思っています。 それを考えてもなお、お迎えしたい。 長く長く使いたい。
我が家の 未来の九十九神 となる。
そんな子がまた増えました。
立派な食器棚を目の前に、奥さまと二人 …一杯やれるよなあ なんて言いながら、新しい子をお迎えしたのでした。
今では、とてもとても自然に、我が家に溶け込んでいます。 帰って落ち着く場所。 いいなあって想いをエントリーにしてみました。
感謝って大事だなってこと、忘れないようにしたいです。