誰かの背中を押していくこと
これは エンジニアの登壇を応援する会 Advent Calendar 2018 の1日目のエントリーです!
僕は エンジニアの登壇を応援する会 という勉強会・イベントの主催をしています。主催といっても、情熱的にコアスタッフをやっている、ということなのですが、それこそが主催であるということだと思うので、主催してます!っていつも言ってます。
実はちゃんとイベントや勉強会、カンファレンスの 主催をやる ということは今までなくて。
そんな僕がどう関わり、何をみて、何を考え、どんな行動をしていくのか。それを綴ってみようと思います。
ちなみに12月27日に エンジニアの登壇を応援する忘年LT大会 というイベントを開催します。
登壇を応援する今年最後のイベント。どんな風に応援されるのか、LTの敷居など、イベント会場で体験していただけたらなー、と思っています。ご都合の合う方はぜひ!
関わるきっかけ
builderscon tokyo 2018 というカンファレンスがありまして、そこで1時間話すことになっていて、事前にスピーカーが集って飲食しながら交流する スピーカーディナーというイベントがありました。
そこで、発起人の ariaki さんに「一緒にスタッフをやりませんか」と声をかけてもらいました。このかたは OSの中身などをきっちり知ってるすごいエンジニア。
全てのエンジニアに知ってもらいたいOSの中身について という内容で登壇することは知っていましたから、そんな人が僕になんだろう?と思ったのを覚えています。
図らずも これからの人の背中を押したい と思っていた矢先。2つ返事で引き受けることに。
そうして直近のイベントである 登壇の技術を勉強する会 #1 で登壇させていただくことに。
ここから、僕の エンジニアの登壇を応援する会 での活動が始まったのでした。
情熱と優しさ
エンジニアの登壇を応援する会 に最初に僕が感じたのは、ただただ情熱的である、ということでした。 しかも発起人だけじゃない。スタッフも登壇者も情熱的なんです。
そして何より、 エンジニアの幸せを全力で支援する というポリシーに心から共感しました。なんの打算も(いい意味での)計算もなく、ただただ支援したい。
関わる人、1人1人によって情熱の根源は違うかもしれません。 働きすぎて潰れていった人をみたからだったり、階段を昇れなくてしんどい思いをしている人がいたからだったり、アウトプットへの1歩を踏み出す勇気が出せなかったり。
そしてそれらを、おそらく自身で体験しているからだったり。
関わっていくうちに、その情熱の根源は 優しさ でできている。そう気づくまで長い時間はかかりませんでした。
今までの自分
ここで今までの自分を振り返ってみます。 僕は流されるまま、開発現場を転々としてきました。フリーランスで仕事を取っても、SESで現場に入っても、常にそうでした。 上昇志向がまるでなかったんですね。
結果として、何一つ深く身につかなかったんです。 それが焦りとなり、焦りが きっといい仕事、マッチした仕事があるはずだ という行動に繋がり、悪い循環が回り続けていました。
また、オブジェクト指向?設計原則?なるほど全くわからんって状態でしたし、勉強会に行っても理解できないことが多かったです。
正直、わからないことが辛くてエンジニアを辞めようと思ったこともあったんですよね。 周りのエンジニアが超えていく階段がとてつもなく高かったんです。僕に取っては。 とっかかりさえ見つけられず、出てくる言葉や略語1つずつを聞くたびにまるでわからず、話についていけず、ただただしんどい日々を過ごしていたのを思い出します。
しかし、転機っていきなり訪れるもんなんですよね。
転機
2016年、もう案件ベースではなく、何か1つのサービスにコミットし続けたい。そこで自分を鍛え直したい。経験を積みたい。
そう思っていたので、転職(というか15年フリーランスの後なので就職かな)活動をしてました。 とはいえ今のような恵まれた人の繋がりを持っていたわけでもなく、勉強会に積極参加していたわけでもありませんでした。
見知らぬエンジニア同士で飲んで意気投合するなど考えられない。
そんな時に、以前フリーランス案件で現場が一緒だった人からのリファラル(声かけ)で、とある会社に入社することに。
その会社がどうだったかはもう話す気もありませんが、そこで得られたのは MySQLをゼロからチューニングして好きにしていい というチャンスでした。
結局 my.cnfをゼロから調べて設定して検証する ということをし、それをQiitaに書いて いました。
ここですでにアウトプット欲が芽生えていたのを思い出します。
ここからです。勉強会にどんどん参加するようになったのは。 忘れもしない 第111回 PHP勉強会@東京、主催者のかたからLTに誘っていただきました。
そこで恥ずかしながら登壇デビューをすることになったんですよね。 そんなデビュー作はこちら。
もうね、完全にトークというものを履き違えてますよね。笑いを取らなくてはならない、という間違った認識で一人突っ走っている。いやー恥ずかしいw
とはいえ、僕の人前でのアウトプットはここから始まり、Twitterでも発言するようになったのでした。
2017-2018年の自分
上述のMySQLのLTを皮切りに、20分枠、Y8、builderscon、などなど、様々な登壇を経験させていただきました。
どんな登壇をしたかは昨年末に こちら で振り返っていたりします。
MySQLの深掘りを業務でやらせていただくという機会に恵まれましたし、そこで見つけた自分なりのとっかかりを語る機会もいただきました。
結果として、僕と同じような悩みを抱えている人が結構いるんだ…という妙な安心感と、使命感のようなものを抱いたのを覚えています。
これを機に、自分のエンジニアとしての人生目標が 隙間を埋める、背中を押す ということに定まっていくことになります。
これからの自分
目標は定まりました。何をみて、考えて、行動するか。
その行動先をどうしよう。登壇だけなのか?
そんな風に思っていた時に、エンジニアの登壇を応援する勉強会の主催としてイベントをやっていくというご縁をいただきました。
イベントを通して背中を押していく。登壇を通して背中を押していく。技術書を何かしらの形で執筆していく。階段と階段、行間の隙間を埋めていく。そして自分へのインプットアウトプットを続けていく。
それらのインプットアウトプットの輪廻を作り、その中に身を置きながら、誰かに勇気や安心を提供できたらな。 技術と技術、例えばブログの1行目と2行目の行間を読み解く技術につまずくとか、同じ悩みを抱えている人の助けになりたい。
僕が生涯で触れられる技術には限りがありますが、それを最大化するにはどうしたらいいんだろう。
その答えは、 より多くの人が集まる場を作る ことなんだなと今では考えています。
何かを始めるのに「遅い」ということはない
僕が登壇デビューしたのは43歳です。 日々の学習とアウトプットを始めたのは44歳です。
それからというもの、超えられなかった壁、階段を少しずつ超えることができてきました。そして、知っていく楽しさを得る、楽しさのその先がわかる、時間が濃密になる。
得難い経験と楽しさの中に僕はいます。 エンジニアとしてこれ以上の幸せがあるのだろうか、とも考えます。 幸せの定義は人それぞれなのでこれは僕の考えではありますが、 楽しい思いこそが幸せにして、技術を発展させる という強い思いがあります。
もし「もう遅い」とか思っている人がいたら、大丈夫です。sftpアカウントの作成方法を懇切丁寧に解説する記事でもいいんです。大きな技術の1部分を切り取って5分間、情熱的に話すだけでもいいんです。
そんなあなたのトーク、待ってる人が必ずいますので、背中を押したいなって思っています。
不安は確信に変わる
最初は 自分のアウトプットが求められているのか不安 でした。でもやってみなくちゃ始まらない。
そこで続けてみたら「年齢関係なく」反響をいただき、一気に人の繋がりが増えていったんですよね。その繋がりの中にいると、自然と 次何を話そうかな って思考になってるんです。
つまり、背中を押しているはずが、気づいたら押されていたんです。押して押される輪廻の中にいたんです。
ああ、僕は この活動をしていくことで間違えていない という確信を得られた瞬間でもありました。
仲間に恵まれる
エンジニアの登壇を応援する勉強会 に関わる人たちは、みんな優しいです。人の痛みを知り、それを優しさとして発露している人がほとんどだと思います。
僕は11月半ばに転職をして、環境も仕事も変化しました。 おかげさまで自分が活躍できる最良の場にいられていて、すっごく充実しているし、コミットメントできている実感が得られている。
それはすごくいいことなのですが、知らず知らずのうちに疲れちゃってたんですね。
で、エンジニアの登壇を応援する勉強会のSlackにまともにリプできない状態になってました。buildersconのコアスタッフもやっているのですが、そちらへのリプも返せない。
やばいな、これは何か行動を起こさないとな。迷惑かけちゃうな…
そんな時に発起人の ariaki さんからDMをもらったんです。 勝手にその一部を掲載しちゃいます。
たまにはゆっくり休んで!まみーさんはインプットしすぎですよ。 少しは休養する時間をとりましょ。 環境と季節で今辛いだろうなーっていうのは想像してましたw まずは新しい仕事に慣れるまでそれに集中して、リフレッシュしてから戻ってきてください。 特にSlackは分報とか多いんでミュートしておいて大丈夫ですからね。 進められる所は進めて、後からまみーさんも見返せるようにesaとかはちゃんと更新しておきますから。 来週末にリフレッシュしてるの待ってます。
今読み返してもちょっと泣きそうになります。 本当はこれに続くあったかい言葉ももらったし、他のメンバーからも優しい声をかけてもらったし、僕のことをちょっと離れたところであったかく見守ってくれてるのがわかるんですよ。
最高の仲間じゃないかって思うわけです。それに応えられていない自分を不甲斐ないなと思う反面、完全にへたり込んでしまう前に気づかせてくれて、自分にブレーキをかけられた。
ああ、恵まれてるんだなあ。人生捨てたもんじゃないなあ。大げさでもなんでもなくそう思いました。
buildersconのコアスタッフの方も、 Kumi TM おかーさんにフォローしていただいたりして、あーやっぱあったけえなあ、なんなんだこの最高の人たちは…って思いながら、自分をリビルドしてるような感じです。
そろそろ実行形式も出来上がる感じになってきましたので、そろそろリスタートしていくぞ。
エンジニアの登壇を応援する勉強会の活動紹介
そんな最高のメンバーが集う勉強会。どんなことをしているかの紹介をさらっとしてみたいと思います。
その1:登壇を応援する
登壇は、緊張するよ、最初はね(575)
そんなわけで、1歩を踏み出すための応援をしてます。
- 登壇資料のレビューを実施
- 登壇のリハーサル会を実施
- スライドを書く技術を共有
- スライドのデザイン相談
- テーマ選定相談
- 技術相談
めっちゃいっぱいチャンネルあるんで、ぜひ Slack へJOIN!
その2:執筆を応援する
エンジニアたるもの、一度は本を書いてみたいはず!(個人の見解です)
そこで実際に執筆した人からも色々な情報を得ることができますし、なんなら共同執筆してくれます(?)
- 技術書典での執筆者からアドバイス
- 具体的に執筆していく手法を共有
- 定期的に勉強会を開催
こちらも専用チャンネルあるんで、ぜひ Slack へJOIN!(2回目
その3:技術書の読書の技術
読書の技術を勉強する会 #1 で実施する予定です。
技術書を効率よく読むのも一つの技術。積ん読、ありますよね! そしてできれば一刻も早く消化したいし、自分のモノにしたい。
そんな読書の技術も学べたりします。
その4:初心者が参加しやすいLT大会
様々なテーマでトークできるLT大会を定期的に開催しています。11月だと 秋の夜長の自由研究LT大会 を実施しました。
エンジニアリング関係なく、自由なテーマで思いの丈を5分に詰める!そんな場を定期的に作っていますので、興味持ってもらえたらいいなと思いますし、ただただ楽しむために来ていただいて、感想などもらえたらスタッフ一同小躍りします。
次の開催だと エンジニアの登壇を応援する忘年LT大会 になります。 年末で様々な忘年会がある中、もしご都合が合えば、参加してみていただけたら嬉しいです!
その5:賑やかなSlack
個性豊かな人からROM専(古い)な人まで、たくさんのかたに参加いただいています。
レビューやリハだけじゃなく雑談も豊富で、毎日ぴよぴよ言ってる人がいたり、もはや人ではなく枝豆の妖精だったり、属性も種族も様々だったりしますが、みてるだけでも楽しいし、会社のSlackなどと違い、息抜きもできたりします。
一度のぞいてみてもらえたらなあ、と思います。
ぜひ Slack へJOIN!(3回目
さいごに
とうわけで、僕の エンジニアの登壇を応援する会 への思いの丈を好き勝手ポエムにしてみました。
アドベントカレンダーの1日目にふさわしいかどうかわかりません!w
が、しかし。情熱や思いは多少は伝わったのではないかな、と思ってます。
エンジニアだけでなく、仕事をして未来へ何かを繋げていく生き物である以上。インプットアウトプット、すなわち成長を続けていかねばなりません。
成長を辞めた時、それは召されるときなんだろうなって思います。
僕自身、70歳まで現役でいられるには、を常に念頭に置いて考え、周りをみて、行動しています。
現在45歳。業界に入った年数から言えば、70歳までの折り返しあたり。
これからも、僕の行動原理である 行間を埋める技術 をずっとアウトプットし続けていけたらな、と思っています。
この思い、行動、情熱。誰かに届いて、1人でも多くの人が楽しく幸せに思ってくれたらな、って心から思っています。
ときには今の僕のように息抜きしつつ。
一緒に頑張ってみませんか?
奥さまのイラスト集
時間と気持ちに余裕があったら、大量のスケッチをトレースして掲載してみようかなっと思ってます。僕が癒されるので。
記事とは直接関係ないことが多いですけど!